循環器内科
当院では手術が困難な心臓の病気に対して、より適切な内科治療をご提案しています。
イヌの僧帽弁閉鎖不全症(慢性心臓弁膜症)
イヌの僧帽弁閉鎖不全症は高齢の小型犬に多い心臓病で、動物病院で見る心臓病のほとんどを占めます。キャバリアキングチャールズスパニエル、ミニチュアダックスフンド、ポメラニアン、トイ・プードルのほか、国内ではチワワ・マルチーズに多く見られます。加齢とともに心臓内の弁に変形と血液の逆流を生じ、重篤になると肺に水が溜まって(肺水腫)呼吸困難を呈し死に至る怖い病気です。幸い国内には根治手術可能な施設が複数ありますが、年齢や費用の点から手術を選択できないことも多くあります。当院では一日でも長く元気に過ごせるよう、ワンちゃんの状態に応じてより細やかな内科治療を提案し良好な結果が得られています。(第24回中部小動物臨床研究発表会にて発表)
イヌとネコの失神
失神は一過性の脳虚血(脳に血が行かない状態)による意識消失です。脳疾患や心臓病に併発して見られますが、それ以上に多いのが一過性の自律神経異常による迷走神経反射性失神(立ちくらみの仲間)です。ヒトと違い動物では自律神経の異常を検出するのが難しく、特にイヌでは自律神経のバランスがヒトと大幅に異なるため、評価するのが困難でした。当院では独自にイヌの自律神経解析法を考案し、失神をするワンちゃんの診断と治療に役立てています。
イヌとネコの高血圧
ワンちゃん、ネコちゃんも加齢、肥満などヒトと同じような理由で血圧が上がってきますが、動脈硬化や狭心症がほとんどないため直接問題になることは比較的稀です。しかしながら、症状がないようでも治療が必要なケースがあります。それが慢性腎臓病(腎不全)かつ尿にタンパク質が見られるときです。タンパク尿を伴う慢性腎臓病は、そうでない場合に比べ寿命が短いことがわかっています。当院では中年齢以上のワンちゃん、ネコちゃんの健康診断時に積極的に尿検査と血圧測定を行い、タンパク尿を伴う慢性腎臓病の患者様に対してより適切な治療をご提案しています。